又吉直樹『劇場』を読んで感じたこと

劇場

劇場

 

 

 

さっき読み終わった。今感じることを文字に残しておこうと思った。

 

小説、久しぶりに読んだ。

 

心が乱れる。その上結末は何かに到達しているわけではない。

 

主人公がダメな奴だ。めんどくさい奴だ。

 

主人公の永田くんが恋人の沙希ちゃんを困らせているとこ読んでいると、苦しい。

元劇団員の青山とののしり合う所も、読んでいて苦しい。

 

なんで、わざわざ1400円くらい出して苦しまなきゃならないんだろうか。

 

なんで、沙希ちゃんはこんな駄目な男に優しいのだろう。132ページから133ページにかけての、

 

「もう疲れるから行かない方がいいよ」

その通りかもしれない。

「疲れたでしょ? 梨買ってあるよ」

沙希は眼を閉じたまま寝言のように囁く。

「なぁ」

「うん?」

「ここは安全か?」

沙希の眉毛が少しあがり上下のまぶたがゆっくりと離れる。薄く開いた目で様子を窺うように僕の眼を見ている。

「ここは安全なん?」

「ここが一番安全です」

「そうか」

「梨があるところが一番安全です」

「ここか?」

「そうです」

 

このくだり、読みながら泣いてしまった。なんでこんな優しいねん、て。どういうことなんだろう、ここを読んで泣くっていうことは。よくわからない。

 

読んで苦しくなったり、泣いたりした。それでどうなるというのだろう。小説はよくわからない。