“怒り”の発動タイミング 年に数回のすすめ

f:id:kotoba2kai:20170614163652j:plain

 

ある月曜日の仕事中。

夕方。電話が鳴って出たら、取引先の歯医者の受付の女性だった。 

 

金曜日に電話で、患者の模型取りに来てほしいと言ったのに、まだ来てない。いつ取りに来てくれるのか。

 

なんか口調が怒っている。確認すると、受注メモにはその歯科医院のメモはない。こちらの伝達ミスっぽい。「申し訳ありません」と謝罪し、明日取りに行きますと伝え、電話を切る。

 

 

なんなんだろうか。確認のため30秒くらい保留にしたが、その後の電話も向こうは待たされたことが不服そうな感じだった。機嫌の悪い感じ。

 

 

一番最初にボクが感じたのは、自分のせいではないのに怒られ、謝らなければいけないことへの怒り。でも電話ではもちろんあらわにしない。会社の人にもグチらなかった。偉いでしょ?ウソ、そんな自慢をしたいわけじゃない。

 

会社にいる間は、自分は会社の歯車の一つだ。没個性なのだ。会社への怒りを受け止めて、謝罪しなければならない。たとえ自分のミスじゃなくても。

 

 

ここからはボクのターン。怒り発動。

 

そんなことで怒るなよ。

 

怒ってくれたおかげで、こちらが悪いのはすぐに分かった、それは礼を言おう。ボクは鈍感だからね。ただ、怒ったことでコミュニケーションが一方的になる。怒られた側は謝ることしかできない。本当にそちらにミスはなかったか、とか聞けない。

 

向こうが受注の電話してきた日、「金曜日」の前に「土曜日」って言ってたんだけど。もし土曜日なら、うちの会社休業日だから電話出れないけど。そういうことを、怒られると言えない。言いにくい。実際言わなかったよ。

 

何歯科医院代表して怒り発動させてんだ。怒りを出すきっかけだと思って嬉々として発動したか、うっぷん晴らしか。

 

はい、僕の好きな本、『嫌われる勇気』から。

 

…あるとき、母親と娘が大声をあげて口論していたそうです。すると突然、電話のベルが鳴りました。「もしもし?」。慌てて受話器をとった母親の声には、まだ怒りの感情がこもっています。ところが電話の主は、娘が通う学校の担任教師でした。そうと気づいた途端、母親の声色は丁寧なものに変化します。そのままよそ行きの声で5分ほど会話を交わし、受話器を置きました。と同時に、再び血相を変えて娘に怒鳴り始めたのです。

青年 別に、よくある話でしょう。

哲人 わかりませんか? 要するに、怒りとは出し入れ可能な「道具」なのです。電話がかかってくれば瞬時に引っ込めることもできるし、電話を切れば再び持ち出すこともできる。この母親は怒りを抑えきれずに怒鳴っているのではありません。ただ大声で娘を威圧するため、それによって自分の主張を押し通すために、怒りの感情を使っているのです。(35ページ)

 

 

「怒り」を使えば、丁寧な説明とか抜きにして、手っ取り早く相手に言うことを聞かせられる。

 

歯科医院の受付の女性が怒ったのは、ボクに何か言われるのも面倒だし、模型を取りに来てくれるよう、それだけ聞いてもらうためだ。こんな電話早く済ませてしまいたい、的な。

 

でも怒ると、孤立するよね。前に勤めてた歯科技工所の社長なんか、従業員にダメ出しとお叱りばっかり。おかげで怖くて話しかけられない。みんな仕事以外の話を社長に話しかけない。

社長的には、家族と過ごす時間の方が大事で、会社では必要以上に従業員と付き合うのを意図的に少なくしているのかもしれない。会社はあくまで仕事をする所で、常に緊張感を持たせたい、とか。

 

いやいやいや。人間、そんな自分を使い分けられないだろ。会社で孤立してる人は、家庭でも似たような位置にいるよ。どういう生き方するかは本人の自由だけど、ボクはごめんだ。

 

年に数回でいんじゃない

 

ボクは滅多に怒らない。でも怒るよ、まれに。年近い先輩のちょっかいが度を越して何回も続くときとか。

 

「いらんねん!それ!!」

 

とか怒鳴る。

自分が嫌な事されてどうしても我慢できない時。怒る時はその時だけでいい。

 

だって普段から頻繁に怒ってると、怖がられて誰も近寄ってこなくなるよ。オオカミになるよ。オオカミは自然界の頂点捕食者だから、サルとかシカとかに怖がられて、彼らから近寄られなくなる。自然界の大きな流れだからそれはいいけど、人間同士ならあまり怒らずに仲良くやろうよ。

 

どうしても怒ってしまう時はあるから、年に数回は「怒り」発動okとするのがいい。言葉が使える人間なら。言葉が使えない? なら仕方ない。