今いる環境でトイレが一番落ち着く場合 そこはあなたの居場所じゃない

ボクは大学3年で留年した時、そうだった。結局大学は 休学 → 退学 という道をたどり、自分の居場所じゃなかったなと感じる。そのへんの話を、します。

 

 

座学は問題なし 実習は問題しかなし

 

ボクは大学で作業療法士というリハビリの専門士になるコースに所属していた。4年制。2年生までは座学ばっかりで、それは問題なかった。先生の話聞いて、板書をノートに書いて、ペーパーテストを受ける。それは割と得意だから。ちょこちょこ実習もあったけど、1日病院のリハビリ室に滞在するだけとか、課題をさほど要求されないのばかりで、クリアできてた。

 

しかし3年生になると、実習の割合が増えた。身体の一部がマヒしてる人への身体可動域(身体がどのくらい動かせるのか)検査とか、精神科での患者さんとの模擬面接とか、そういうの。同じ学年の人同士で練習して、試験は先生が患者役。

3つのタイプに分かれるよね。

 

①何をすればいいかだいたいわかっており、難なく合格する人

②どうすればいいかイマイチわからないけど、できる人に聞いたり練習相手になってもらったりしてやることがわかり、合格する人

③不合格の人

 

ボクは3番目の人。どうすればいいかわからない。同じ学年の人に聞けない。練習相手なんて頼めない。それでも面倒見のいい人とか、先輩でよく気にかけてくれる人に「練習しよう」って誘ってもらって練習できた。でも試験は不合格だった。先生によると、ボクは惜しいとかそういうレベルではないっぽい。このまま臨床に出すには問題アリ、的な。確かに、ボクも試験受けてて手ごたえを感じなかった。一人異国の地にいて、生活の仕方が全く分からないような、そんな感じ。

 

それで、留年して一年後再チャレンジすることに決めた。同じ学年で留年したのはボクだけだった。

 

1コ下の学年に混じって座学と実習

 

留年すれば当然1コ下の学年の人たちと一緒に授業を受けたり実習をすることになる。座学はなんとか大丈夫だった。途中でグループワークが入ったりするんだけど、同じ班に社会人入試で入ってこられた方がいて、進行役、まとめ役をしてくださり、グループでワークできました。座学はグループワーク入ろうが基本個人プレー種目なので、いける。話を聞いて、板書メモしてのおなじみパターンだから。

 

問題は実習だ。顔なじみの同じ学年の人とでもやりづらいと感じるのに、ほとんど交流したことのない1コ下の学年の人たちとどうしてできるか。いや、できない。忘れもしない体表解剖学実習。それは、体表から触れる骨や筋肉を、実際に他人の体を触りながら学ぶという実習なのだ。

 

2年生の時に顔なじみの同じ学年の人と実習した時も、とても狼狽した。うろたえた。同年代の他人の体に触れなければならない。しかも作業療法のコースって、3/4は女子なんだ。いくら実習とはいえ、同年代の女子の体に触れなければならないとか、抵抗がありすぎる。なので触るはいいが、全然目的の筋肉の触知ができない。別に男子でも一緒だ。触るのでいっぱいいっぱいなのだ。触りながら目的のものを突き止める、そんな余裕がない。

 

留年した時の話に戻ろう。体表解剖学実習の前の休み時間。実習室には1コ下の学年の人たちが集まってきていた。その中に話できる人もいた。社会人入試で入ってこられた方で、おとなしめな男性2人。でもその時、その2人は何かを話し合っており、そこに割って入る勇気が出なかった。他はみんな話したことない人。ダメだ、実習室に入れない。居場所がない。

 

トイレ登場

 

どうしよう。困った。ボクの足は実習室横のトイレの個室へと進んだ。バタン、カギを閉める。…ふぅ。なんとも落ち着く。数分そこでじっとしていると、実習室から何人かがトイレに入ってきた。

 

「なんや、誰か使ってるやん。誰やねん」みたいなこと話してる。ものすごく居づらい。それでもその人たちがトイレを出ていくまで個室の中でじっとしてた。

休み時間も終わる。実習室では授業が始まる……

 

実習の授業受けるのすら無理だった。つらい。自分は一体何をしているんだろうかと思った。

 

その後

 

進路変更を考えるため休学した。他大学の農学部の編入学試験を受けて落ちて、次に医療系専門学校で人と触れ合わない系の、臨床検査技師診療放射線技師、臨床工学技士、歯科技工士のコースがある所に体験入学に行って、歯科技工士が一番しっくりきたので技工士学校に入学を決める。入学試験は面接と簡単な作文のみで、合格した。それを機に大学に退学届を出した。

 

なんで歯科技工士にしたか。大学の実習で、患者さんに処方する作業を体験するのがあり、陶芸、編み物、籐細工、七宝焼きなどいろいろやった。その時ボクは作業そのものに夢中になる傾向があって、いいものを作ろうという一心でやっていた。ほんとは上手に作るのが目的じゃなくて、どのような患者さんに どのような作業が どのような効果をもたらすか、とかを考えるのがメインなんだけど。でもボクはそんなことどうでもよかった。

 

ということで、ものを作る系が一番地雷が少ないだろうと読んで、歯科技工士にしました。今も歯科技工所で働いてるわけですが、多分大学で同じ学年だった人で、そのまま作業療法士になった人よりは給料少ない。し、歯科技工士は労働時間長いし、誰がどう見ても、がんばって大学卒業して作業療法士なってた方がよかったのにってなる。

 

でも、ボクは今の職場で、居場所がなくてどうしようもなく困ってトイレに入ったことが1回もない。正社員で朝から晩まで会社にいた時も。会社は10何人くらいで、ボクは皆さんとちゃんと挨拶できるし、ちょっとした会話もできる。やらなきゃいけない仕事は一応できている。ここ、居てもいいんだ、と感じる。これはちょっとお金に換えられない。

 

自分の居場所ある感って大事だよね。今いる環境が自分の居場所なのかどうか、それはトイレに入って落ち着くかどうかが判断材料になる。そう感じて筆を取りました。ここまで読んでくれてありがとうです。環境変えてみると前よりマシって現象はよく起こります。やってみて。